商標権侵害に関するガイドライン
ガイドラインの目的
近年、ネットオークション上に掲載されている商品情報が
商標権等を侵害しているとして権利者や権利者団体からネットオークション事業者に
当該情報を削除する旨の申出がなされるケースが増大しています。
このようなケースを踏まえ、このガイドラインでは
ネットオークションの出品物情報や
ウェブページ上の情報流通で商標権や専用使用権が侵害されている場合に
ネットオークション事業者が発信者に連絡をして7日間経って反論がなくても
速やかに送信防止措置を講じることが可能な場合を可能な範囲で明らかにするとともに、
権利者とネットオークション事業者の行動基準を明確化し、
商標権を侵害する情報の流通に対するネットオークション事業者等の迅速な
対応を促進し、インターネットの円滑で健全な利用を促進することを目的とします
商標権の侵害とは?
下記の具体例のように
業として商品を譲渡する者が商標権者の商標登録に係る指定商品又は
類似する商品を譲渡するために商標が付された商品の写真を
ウェブページ上に掲載する行為などは商標権を侵害していると考えられます。
@ネットオークションへの偽ブランド品等の出品
Aショッピングモールにおける偽ブランド品等の出品
Bその他ウェブサイト上での偽ブランド品等を譲渡する旨の広告
ガイドラインの位置付け
情報の流通で本当に権利侵害があったか否か、情報を誤って削除・放置したことでネットオークション事業者等が責任を負うか否かは最終的には裁判所が決定します。
その際はガイドラインの内容と作成手続にその信頼性の有無を示す根拠があり、商標権者やネットオークション事業者等がガイドラインに従って適切に対応している場合においてはじめて裁判所において「相当の理由」があると判断され、ネットオークション事業者等が責任を負わないとされるものと期待できことから
ネットオークション事業者等はこのガイドラインに沿った対応を取ることが
期待されています。
またこのガイドラインに定められた要件を満たさない場合でも
「相当の理由」になる場合もあります。
申出の主体
ネットオークションへの出品物に関する情報等インターネット上を流通する商品の情報が真正品の情報であるか否かの判断は権利者以外の者で行うことはできません。
また権利者からの申出であれば商標権侵害の有無を適切に判断できるため
このガイドラインの送信防止措置の申出の主体は基本的には権利者とします。
具体的には送信防止措置の申出者は、商標権又は専用使用権を侵害されたとする者本人
(商標権者および専用使用権者の他、これらと同視し得る者を含む。)
又はその代理人とします。
送信防止措置対象とする商品の情報
このガイドラインでは
@情報発信者が真正品でないことを自認している商品
A商標権者等により製造されていない類の商品
B商標権者等が合理的な根拠をもって真正品でないと主張している商品
上記のいずれかに該当する商品の情報については
他に特段の事情がない限り真正品の情報でないと判断できます。
また
C広告等の情報の発信者が業として商品を譲渡等する者である
Dその商品が登録商標の指定商品と同一又は類似の商品である
E商品の広告等を内容とする情報に当該商標権者等の登録商標と同一か類似の商標が付されている
上記C〜Eの全てに該当する場合には商標権を侵害している可能性が高いと判断できます。
商標権者等における申出の際の手続
特定電気通信による情報の流通で自己の商標権等を侵害されたとする者が関係するネットオークション事業者等に当該商標権等を侵害する情報の送信を防止すべきことを求める時は申出書に必要事項を記載し、
申出書と必要書類をネットオークション事業者等に提出します。
当該商標権等の侵害にかかる商標権者等について、申出者と一定の関係にある信頼性確認団体がある場合には、申出者は申出書に必要事項を記載の上必要な書類を添え、信頼性確認団体を経由して提出することができます。
手続は原則書面で行いますが、必要に応じ電子メールとFAXなどの申出も認められます。
申出における確認事項と方法
申出がされた場合にネットオークション事業者が情報の送信防止措置を講ずることで、
発信者に不利益が生じ、場合によっては訴訟が提起されることも
考えられるため下記のような確認をする必要があります。
@本人性の確認
a)書面による申出の場合
直接ネットオークション事業者等に申し出る場合、申出者が個人の場合、申出書に記名、押印して運転免許証など
本人性を証明できる資料を添付する。
申出者が法人の場合、申出書に法人代表者の記名と公印又は通常業務で
利用する印を押印し、登記事項証明書の写しなどを添付する。
ただし、株式を公開・上場している会社であれば本人性を証明できる資料の省略ができる。
b)電子メール等による申出の場合
電子メール等において申出者が本人である旨を記載していることをもって適切に本人性が確認されたと判断する。
A商標権者等であることの確認
申出者が商標権者等を有していることを確認するため
次のような証拠資料を提出しなければなりません。
a)商標原簿及び商標公報の写し、又は独立行政法人工業所有権情報・研修館が
提供する特許電子図書館のウェブページ
http://www.ipdl.ncipi.go.jp/homepg.ipdlで当該商標に関する情報を検索した結果の写しなどを提出する。
b)商標権者又は専用使用権者と同視し得る者であることを証明する書面
B侵害情報の特定
申出者は次の方法で侵害情報を特定して申出を行う必要があります。
a)申出書で対象となる情報についてそのURLと
商品名、発信者情報(ID等)、掲載日時、特徴等を記載する、可能な場合には対象となる情報のハードコピー等で図示する。
b)ネットオークション事業者等が記載された情報では特定できない場合に追加の情報提示を求めた時は提出しなければならない。
申出者が速やかに提出しない場合は書類不備を理由として送信防止措置を講ずることが困難である旨を申出者に連絡するものとする。
C商標権等侵害であることの確認
ネットオークション事業者等がその情報の流通によって確かに商標権等が侵害されたことを判断しなければならないため、申出者は次の内容を申出書に示さなければなりません。
a)商標権が侵害された旨(登録商標、登録番号、指定商品等の情報)
b)侵害情報に係る商品を製造していないことなど
c)情報発信者に対して権利許諾していない旨
ネットオークション事業者等は申出書に記載されている情報に基づき、
当該権利侵害の態様がこのガイドラインが対象としている権利侵害の態様で、かつ送信防止措置の対象となる商品の情報であることを確認します。
|