名誉毀損・プライバシー侵害のガイドライン

ガイドラインの目的

このガイドラインではプロバイダ等がウェブページ等による情報の流通で 名誉毀損またはプライバシーを侵害されたと申し立てる者(以下申立者)の 削除等の送信防止措置の要請を受けた場合、 プロバイダ等の取るべき行動基準を明確化することで 申立者、発信者及びプロバイダ等それぞれの関係者の利益を尊重し プロバイダ等による迅速かつ適切な対応を促進することで インターネットの円滑かつ健全な利用を促進することを目的としています。

ガイドライン判断基準の位置付け

プロバイダ等の損害賠償責任の制限については最終的には裁判所が決定します。 またある情報が名誉毀損、またはプライバシー侵害に該当し、 これによってプロバイダが何等かの作為・不作為の責任を負うか否かは 情報の内容、掲載された場所の特性、情報に対する対応の仕方によって異なります。

また名誉毀損、プライバシー侵害の判断基準は社会環境の移り変わりに伴い変化します。 つまり、このガイドラインに従って対応してもプロバイダ等当然に損害賠償責任を 免れるということはなく、逆にこのガイドラインに従って対応しない場合、 常に損害賠償責任が生じるということはありません。

ガイドライン適用外になるもの

プロバイダ責任制限法で規定されていない事項についてプロバイダ等が 申立者からの送信防止措置を講じるよう要請を受けた場合には 発信された情報の違法性についてプロバイダ等が判断しなければなりません。

このガイドラインではこの情報の違法性についてプロバイダ等が判断するための 一助となる考え方や判例が紹介されています。

プロバイダ責任制限法で規定されていない事項は下記の通りです。

@電子メールでの名誉毀損、プライバシー侵害、誹謗中傷など特定電気通信以外の通信

A刑事上違法な情報(※1)に関する刑事責任の存否  プロバイダ責任制限法では特定の者の権利を侵害する情報に関する民事責任に関して  申立者、発信者のそれぞれに対して免責される場合を定めたものであり、  刑事上違法な情報の存否については、このガイドラインに基づいて判断できなくても  一般的に民事責任を免れる場合に刑事責任を問われることはないといえます。

B有害な情報  青少年の健全な育成に悪影響を及ぼす暴力的表現や性的表現など ※1 刑事上違法な情報の例 特定の者の権利が侵害されている場合や、わいせつ画像、他人のIDやパスワード、 風説の流布など特定の者の権利が侵害されているとは限らないものもある。

ガイドラインの対象者

このガイドラインはプロバイダ等、つまりプロバイダ責任制限法にいう 特定電気通信役務提供者に向けて作成されたものです。

プロバイダ責任制限法の考え方

@申立者に対する損害賠償責任の制限

プロバイダ等が削除等の送信防止措置を講じるよう申出を受けた場合 責任を問われる可能性があります。 他人が発信した違法情報を削除する権限を有しているなど被害の拡大を防止する ことができる立場にある者は一定の条件下で 当該情報の送信防止措置を講じる義務が生じる場合があることを認めています。

a)常時監視義務がないこと

プロバイダ等は自己の管理下にあるサーバーに格納された情報が他人の権利を侵害していないかどうかを監視する義務はない。

b)申立者等から送信防止措置要請を受けた場合の責任の制限

プロバイダ等が申立者等からの送信防止措置要請等を契機として当該情報の流通を知ったとき、それまでに送信防止措置を講じなかったとしても 当該情報を放置したことによる損害賠償責任を負わない。

c)技術的可能性による責任の制限

プロバイダ等が送信防止措置を講じることが技術的に不可能な場合に 当該情報を放置したことによる損害賠償責任を負わない。

A発信者に対する損害賠償責任の制限

ある表現が名誉毀損・プライバシー侵害に該当するか否かの判断は難しく、 場合によって変ってくる場合があります。

このような難しい判断が必要な際に、他人の権利を侵害しない情報を 誤って削除してしまった時は発信者から損害賠償を請求される可能性があり、 逆に損害賠償を恐れて送信防止措置を放置すると被害の拡大の可能性があります。

そこでプロバイダ責任制限法では、発信者からの損害賠償請求に対して 下記に掲げる要件を充足すればその責任を負わないことを定めています。

a)不当な権利侵害が行われたと信じる相当な理由がある場合

b)発信者へ送信防止措置に同意するかの照会手続で発信者が照会手続を 受けた日から7日以内に同意しない旨の申出がなかった場合

Bプロバイダ責任制限法を踏まえた対応

違法情報であるかどうかの判断で送信防止措置を実施する時は 発信者との関係で損害賠償責任を負わない場合かを判断し、 送信防止措置を実施しない時は申立者との関係で 損害賠償責任を負わない場合かを判断しなければなりません。

名誉毀損・プライバシー関係送信防止措置対応手順

@申立の受付

プロバイダ等は送信防止措置の申立を受ける場合、 自己の会員や契約者以外からも受ける場合を想定して 苦情や相談窓口を設置することが望ましいです。

発信者への照会手続を開始するためには下記の条件を全て満たすように 送信防止措置手続を受ける必要があります。

a)申立者は特定電気通信による情報の流通で自己の権利を侵害された者であり、 この情報で自己の権利を侵害されたとすること

b)侵害された権利が特定されていること

c)権利が侵害された理由が述べられていること

d)送信防止措置を希望する意思表示があること

A自主的送信防止措置の要否

プロバイダ等が管理しているウェブページ上に掲載されている情報が 他人の権利を侵害していることが明らかな時、 損害賠償責任を負わないようにするには自主的に送信防止措置を講じますが どうしても判断が付かない場合はBの照会手続で問題解決をします。

B照会手続の手順

a)申立者の確認

送信防止措置を要請する者が自己の権利を侵害されたとする者またはその代理人 であることを書面や電子メール、代理人がある場合は委任状をもって 確認する必要があります。

b)侵害情報等の特定

プロバイダ等は情報発信者に侵害情報を通知して送信防止措置を講じるか否かを 照会する必要があるため、通報者からその情報の通知を受けなければなりません。

c)照会可能な場合

プロバイダ等は発信者に対し送信防止措置を講じるよう要請があったことと 申立者から提供された侵害情報等を通知し、 送信防止措置を講じることに同意するか否かを照会することができます。

d)照会ができない場合

送信防止措置を講じることに同意するか否かの照会は法令上の義務でないため 発信者と連絡することが出来ない場合は照会手続を進める必要はありません。

e)照会手続

上記の手順で申立者の本人確認と侵害情報が特定でき、 照会可能となった場合、発信者への照会手続を送信防止措置手続依頼を受けたら 遅滞なく行わなければなりません。

照会手続は参考書式にて行い、発信者に到達した日の翌日から7日以内に 発信者からの反論があるかを確認します。

・発信者から送信防止措置手続に同意しない回答があった時 プロバイダ等が送信防止措置手続を講じなくても 損害賠償責任を免れるものと考えられます。

・発信者から送信防止措置手続の回答がなかった時 発信者に対する作為責任を負うことなく送信防止措置を講じることができます。




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