2004年3月に改正されたポイント
労働者派遣法は、現在の雇用状況にそぐわないことなどを理由に2004年3月に大きく改正されました。改正された部分は以下のとおりです。
1.派遣対象業務の拡大
2.派遣受入期間の延長
3.直接雇用の申込義務
4.許可・届出手続等の簡素化等
5.労働者派遣事業の許可の欠落事由の追加
6.紹介予定派遣の見直し
7.派遣労働者の安全衛生の確保等
8.派遣元責任者に係る手続き等の簡素化
1.派遣対象業務の拡大
これまでにも改正のたびに派遣対象業務(派遣社員を使ってもいい業種)は増えていましたが、2004年の改正では、製造業務・医療関連業務で派遣が許されるようになりました。
今まで、製品の加工・組立作業・塗装・製品運搬など、工場の製造ライン系統の仕事への派遣は禁じられていました。ですが、派遣期間は1年間のみ(平成19年2月以降は3年間)と期間制限はありますが、派遣スタッフを使ってもよくなりました。
また、命をあずかる職業として、医者や看護士、薬剤師など医療関連の仕事も許可されていませんでした。臨時のスタッフが入ることによって、連携治療や患者への責任問題などに支障が出てくると思われていたためです。
ですが、派遣期間が終了した後、正社員として雇うことを前提とした「紹介予定派遣」に限られていますが、派遣の受入を認められました。
上記2業種と同じく派遣ができなかった「港湾運送業・建設業・警備業」などについては、相変らず派遣は禁止されています。
2.派遣受入期間の延長
また、産休・育休・介護のために休暇を取る人の代りに派遣される場合も、1年〜2年と期間が制限されていましたが、それも撤廃されました。
販売や営業といった、専門職でない仕事の場合は、今まで1年間となっていましたが、3年間に延長されました。
ちなみに、3年以内の期限つきプロジェクトへの派遣については延長も改正もなく、従来どおりプロジェクトの期限内という以外の制限はありません。また、新しく解禁になった製造業への派遣は、平成19年4月までは1年間、それ以降は3年間と派遣受入期間の制限があります。
3.直接雇用の申込義務
また、受入期間に制限がない場合でも、同じ派遣スタッフによる派遣が3年以上経過していて、そのスタッフがしている仕事と同じ内容の仕事で、新たに正社員を雇う予定があるのなら、今まで来ていた派遣スタッフに優先的に「派遣でなく直接雇用したい」と申込む義務があります。
この場合は断られても元々受入期間の制限がないので、そのまま派遣として仕事してもらっても構いません。
。4.許可・届出手続きの簡素化等
たとえば、派遣会社A社にa支店、b支店、c支店とあれば、3回許可をもらわなければいけなかったのが、A社として1回届出すればよくなったのです。
また、派遣会社から派遣先企業へ、派遣先企業から派遣会社へ、何か通知しなければいけない場合、書面でやりとりしなければいけませんでしたが、ファックスやメールでもよくなりました。
5.労働者派遣事業の許可の欠落事由の追加
労働者派遣業の許可や届出の申請をしても受理されない理由の1つに、「外国人に違法に仕事をさせていないかどうか」といった内容がつけ加えられました。
6.紹介予定派遣の見直し
一定期間(6ヶ月以内)派遣として働き、そのお試し期間が終った後、正社員になるかどうか・採用するかどうかの意思確認をするという形でした。それが派遣スタッフとして働き始める前、派遣期間中でも採用の内定や面接を行なうことができるようになりました。
また、紹介予定派遣で派遣されたのに、派遣先企業がその派遣スタッフを雇用しなかった場合、理由を書面やメール、ファックスなどで明らかにしなければいけなくなりました。
7.派遣労働者の安全衛生の確保等
8.派遣元責任者に係る手続き等の簡素化
また、派遣元責任者は講習を受けなければいけないのですが(一般労働者派遣業者の場合)、一度講習を受けてからの有効期間が3年から5年に延び、再講習に必要な講習時間数も6時間から4時間と短くなりました。